日別アーカイブ: 2017年1月17日

【 ビザ無しフランス修行 3 】

怒涛のごとく料理を出して掃除して初日は終了。 ちょうど一回り年下の日本人が一人働いていたんです。知り合いが以前ここで働いていたそうで、専門学校を卒業する時にいきなりフランスを勧められ興味本位で決めたそうです。僕も働く事が決まっていたので、他に日本人が居る事も知っていたのですが、フランス入りしたのは彼のほうが先、いざ来てみると一人ぼっちで一週間過ごしてたみたい。英語もフランス語も分からない、料理も分からない良くやっていたと関心しましたが、もったいない事に一ヶ月で帰国してしまいました。

毎朝9時から11時まで仕込みして1時間食事のあとにランチスタート、夕方5時から6時まで仕込みして1時間食事のあとにディナースタートで料理を全て出し終わると掃除をして終了です。パティシエは30分ずらして出勤してましたね。終わるのはお客様しだいですから結構遅かったように思います。

営業が始まっても野菜の下処理をひたすら行うという地味な仕事の毎日で、オーダーに参加させてもらえない日が続きました。加えて「肉やワイン・チーズはどこの国の物が1番だ?」とシェフが聞いてきます。「フランスだよ」と答えると、「そうだフランスは素晴らしいんだ」と得意顔。「分かっているから勉強しに来たよ」と言うと「それなら良い」と納得してましたけど扱いは酷いものでしたね。

賄いを食べるとき、パトロン家族は店内で食べ他のスタッフは厨房横のテラスでした。何も知らず適当に座ろうとすると、僕やポーランド人は奥のほうへ行けと手ではらわれます。

シェフに日本で「どんな事してる?」と聞かれ料理やソースの事を話しても「お前のしてることはフランス料理なんかじゃない!」と罵声を浴びせられる事もしばしば。まぁそんな事ぐらいではめげませんけど(笑)

ある日の朝、オードブルで使うフレッシュのサーモンが届いた朝、シェフが「賄いで寿司を作れ!」と僕に言ってきました。

これが転機に繋がりました。

続く

 

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【 ビザ無しフランス修行 2 】

いきなり頭の中真っ白。

お迎えが来ていると思い込んでいた為、仕事先の住所も電話番号も日本に置いてきたのがそもそも失敗。

実家の電話してお店のショップカードを探してもらい何とか電話番号を得る事が出来たのでまず電話してみることに。

パトロンに代わってもらい空港に付いた旨を伝えると衝撃の一言。
「もう着いたのか?」
事前にファックスで何回もやり取りしていたのに言葉を失いました。コンタクトが取れたおかげで気分的にはかなり落ち着き程なくしてお迎えに来てくれました。

仕事先はオーベルジュ、食事だけでも出来ますし宿泊施設もあるところです。ここへ向かう途中国境を越えるのですが、パスポートを見せる事も無く手を挙げてそのまま軽く挨拶してそのまま通過。
ここでもまたまたビックリ。

オーベルジュに着くと、
スタッフはランチを終え掃除の最中でした。その中には日本人も一人。マダム・パトロンの父(僕たちはパピーと呼んでました)・シェフを紹介してもらうとシェフが、
「フランス語話せるのか?」と聞いてきます。
少しだけ話せると伝えると頷きながら夕方5時30分に厨房に来いと。23時間乗り継いでいきなり仕事? 現在3時30分。

ここのオーベルジュは、日曜日のディナー、月曜日、火曜日のランチがお休みでしたので、自分の中で勝手に来週くらいから仕事が始まるかな?と思っていたのですが、甘かった。

マダムにお店のメニューをもらい部屋に案内されて荷ほどきしているうちに仕事開始の時間です。

初日は60名を超える団体のお客様、当然皆忙しく交わされる言葉は当たり前ですがフランス語。ポーランド人の研修生も何人か居ましたが、メインスタッフはフランス人。皆始めにフランス語話せる?と聞いてきて初めと同じやり取り。日本でも食材や数字はフランス語でしたから救われました。

仕事が始まりお皿を並べるように指示され数えてみると、全てのお皿を並べきったのに何と足りない。

続く

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